【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
暁斗さんの様子を確認しようと後ろを見ると、さっきまで居たところに姿はない。
私は秘書として同行しているのだから暁斗さんの視界に入るところにいるべきなはず。
剣崎さんには悪いけど、暁斗さんを探さなくちゃ。
「待って美緒ちゃん、どこに行くの?」
「あ……剣崎さん……」
「もしかして三原を探してる?」
「はい。私は秘書として同行してますので……」
「あいつはあそこにいるよ。見える?」
剣崎さんが親切にそう教えてくれたので、彼の視線の先へ目を向けると、やはり先程の女性と、今度は他にもどなたか数名含めて楽しそうに談笑していた。
そしてその脇には、ロビーで待機していたはずの藤堂さんの姿も見える。
私が暁斗さんのそばについていなかったから来てくれたんだろうか。
「あ、藤堂くんも見えちゃったかな?安心して。君が持ち場を離れたからじゃなく俺が今藤堂くんに話してきたんだ。君を少し借りたいって」
「え……?」
「たぶんなんだけど、美緒ちゃん、俺と話すな、とか言われてるんじゃない?」
「そ、そんなことは」
「ははっ、やっぱり嘘が下手だ。君ってホント素直なんだね。俺と話すなって言われてるんだから適当にあしらわなきゃダメじゃない」
私のために取ってきてくださった飲み物を差し出し、剣崎さんが笑ってそう話す。