初恋のうたを、キミにあげる。
「俺は滅多に人を家に入れないから」
「そうなんだ?」
「だから、家に入れた人は大事ってこと。意味わかる?」
家に入れた人は大事、ということは昨日家に入れてもらった私もその中に入れてもらえているということ?
「わ、私、森井くんのことクラスメイトじゃなくて」
「え、ちょ」
「友達って言ってもいいですか!」
お母さんに森井くんの話をするときも、〝友達〟って言っていいのかわからなくて、でもクラスメイトって説明すると距離があるように感じて少し胸が痛んだ。
友達が少ない私にとって、友達っていえる存在ができるのはすごく嬉しいことなんだ。
「あ、うん。……どうぞ」
ただのクラスメイトじゃなくて、友達になれた喜びを噛み締める。
舞花ちゃんとリュウくん以外にできた友達。
そして、私の初めて好きになった人。