初恋のうたを、キミにあげる。
***
数分後、舞花ちゃんがリュウくんの部屋へやってきて、三人で向かい合うように床に座る。
「なんでこんなにかしこまってるの?」
呆れたように苦笑する舞花ちゃんに普段なら私もつられて苦笑してしまうけれど、今は緊張の方か勝っていた。
「話があるの」
声が震えた。伝えるのは怖い。
伝わらなかったらって思うと不安がどんどん心に侵食していく。
だけど、彼の言葉がそんな心の不安を溶かしていってくれた。
『話すことは罪じゃない』
怖がる必要なんてない。大丈夫。だって、相手は舞花ちゃんとリュウくんだ。
私の大事なふたりは話を聞いてくれない人なんかじゃない。話せばきっと伝わるはずだ。
「話って?」
「私……今までふたりにたくさん守ってもらってきた。だけど……もう守られてばかりなのは嫌なの」
ぽつり、ぽつりと言葉を零していく。