初恋のうたを、キミにあげる。



「嬉しいよ、星夏。ありがとう」

「ううん。私こそ、今まで守ってくれてありがとう」

「私、星夏に自分の考え押し付けて……窮屈な思いさせてたのかもしれない。……ごめん」


じわりと浮かぶ涙を必死に堪える。


「こんな私だけど、これからも星夏のそばにいさせて」

「舞花ちゃん、私……舞花ちゃんのこと大好きだよ。だから、これからも一緒にいたい」


抱きしめてくれた舞花ちゃんの腕は温かい。大好きな私の友達のぬくもりに心が落ち着いていく。

そんな私たちを見守っていたリュウくんは嬉しそうに頭を撫でてくれた。



それから、森井くんたちのことを話した。

本当に優しいということ。一緒に購買に行ったときも、私が行きたがったからだということ。


彼らのおかげで、学校がいやじゃなくなってきたこと。

そして、髪の毛の色の件も話した。




「ちょっと待って! 森井の家に行ったの!?」

「え、うん。染めてもらったから……」


やっぱり図々しかったかな。改めて菓子折りとか持って行ったほうがいいかな。

お母さんにもそうしたらって言われたんだよね。けど、メロンソーダの件もあるから受け取ってくれるか微妙だ。





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