初恋のうたを、キミにあげる。
「舞花、多分星夏はそういう危機感ねーよ」
「けど、森井の方はわかんないでしょ!」
「いやいや、この様子だとなにもなかったんだろー?」
リュウくんの言葉に首を傾げる。
なにも、なかった。とは言い切れない気がする。
森井くんに触れられてドキドキして、その日の夜には自分の気持ちを自覚した。これはなにかあったうちに入るよね?
それに事故とはいえ、頬に森井くんの唇が触れた。あのことを思い出すと、ドキドキして顔が熱くなる。
「え、ちょっとなんで星夏、顔赤くなってるのよ」
「まじで? まじでなんかあったのか?」
ふたりに質問攻めにされて、たじろぎながらも小さく頷く。
「その……す、好きだなって……思って」
精一杯の想いを口にすると、リュウくんと舞花ちゃんは同時に「は?」と声を上げた。