初恋のうたを、キミにあげる。
初めて恋をして変わりだす世界。キラキラとして見えて、溢れ出す好きっていう気持ち。
聴いている私が照れくさくなってしまうくらい甘酸っぱい曲だった。
そして、告白をするか悩む女の子。タイミングがなかなか図れずに空振りばかり。
雨が降ってきて偶然の相合傘。今しかないと決意する女の子。
けれど、好きの一言がなかなか言えない。
家が見えてきてしまい、彼と別れるときが近づいてしまった。
女の子は男の子の服の裾をつかんで足を止める。
そして、女の子の口が動いた瞬間と歌詞の『好き』がリンクした。
「告白、か……」
少女漫画でも恋愛モノなら必ずある告白。
私が森井くんに告白したら、森井くんはなんて答えるんだろう。
舞花ちゃんもリュウくんも応援してると言ってくれた。
けど、それは上手くいくように、つまりは告白が成功するようにということだよね?
……でも、私は自分の秘密を打ち明けられずにいる。
森井くんが好きと言ってくれた歌い手のナツの正体が私だと知られたら、今の関係がどうなってしまうのかわからない。
かといって、たとえ奇跡的に付き合えても隠したままなんて貫き通せるのかな。
秘密があるということは、後ろめたくなってしまう。
好きだけど、好きと言えない。
この秘密を私はどうすればいいのかな。