初恋のうたを、キミにあげる。


***


翌朝も雨が降り続いていた。私の気分も憂鬱なまま。

舞花ちゃんとリュウくんも昨日の出来事は耳に入っているらしく、大丈夫なのかと心配された。



「俺が聞いたのは森井たちが先輩たちに喧嘩売って、先生に連れてかれたって」

「け、喧嘩なんて売ってないよ!」

「まあ、噂は好き勝手言ってるだけだろうな」


木崎さんたちは悪くないこと、先に絡んできたのは先輩たちなのだと説明するとふたりは信じてくれた。

けれど、舞花ちゃん曰くたとえそれをみんなが知っても〝問題を起こす人たち〟という風に話されてしまうことには変わりないそうだ。



「でも、星夏は一緒にいたいって思ってるんでしょ」

「……うん。一緒にいたい」

「なら、堂々としていなよ。悪いことしていないなら、尚更下向く必要なんてないでしょう」


舞花ちゃんの言葉に強く頷く。


人によって見方は違うだろうけれど、誰かにとって問題児だとしても私にとっては大事な人たちだ。


変わるきっかけをくれたヒーローみたいな森井くん。


いつも明るくて元気をくれる木崎さん。

私が言葉に詰まったら優しくフォローしてくれる大城くん。



私にとって彼らはそういう存在だ。悪い人なんかじゃない。


だから、下なんて向かずに、歯がゆさなんて消し去って、いつも通りでいよう。






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