初恋のうたを、キミにあげる。
***
教室に着くと、森井くんたち三人の姿はなかった。
どうしたんだろうと不安になって、早く話がしたいと思って待っていたけれど、きたのはチャイムギリギリで話せなかった。
朝だけでなく、休み時間のたびに姿を消してしまうので話す機会がない。
不安を抱えたまま放課後になり、森井くんの元へと駆け寄ると、すぐに視線を逸らされてしまった。
……なにかがおかしい。
「あの、どうかしたの?」
「俺らとあんまり一緒にいない方がいい」
たった一言。
それだけ言って、森井くんは教室から出て行ってしまった。
冷たく心に刺さる言葉に指先をぎゅっと握りしめる。
今日ずっと避けられていたんだ。
私が近づけないように、話すことができないように。