初恋のうたを、キミにあげる。
「それに、先輩とのことだってみんなは悪くないです! 私が証人です!」
守りたいものを守るんだ。
たくさん優しさをもらって、掬い上げてもらった。
だから、今度は私の番。
かっこ悪くってもいい。これが臆病で弱虫な私の精一杯。
お願い。伝わって。届いて。
「おい……小宮、ちょっと落ち着け」
先生の言葉にめいっぱい首を横に振る。
「私、みんなともっと話したい……友達でいたい! お願い。離れて行かないで」
もしも彼らが嫌いになって離れていくわけじゃないなら、私のことを想って距離を置こうとしているのなら、私は何度でも気持ちを伝えるよ。
椅子が床に擦れる音が聞こえて、誰かが私に飛びついてきた。
瞬きをして、涙を落とすと視界に映る金色に近い髪。
「小宮ちゃん。私も……友達でいたいよ」
涙声の木崎さんが私のことを抱きしめていた。