初恋のうたを、キミにあげる。
ナツのことを知っている人がこの学校内にいるとは思わないけれど、トップページに特集されてからフォロワー数は一万人くらいに増えた。念のため気をつけておかないと。私が歌い手をやっているということは周りには知られたくない。
できれば今のまま隠していたい。舞花ちゃんやリュウくんにさえ言っていない。
照れくさいというのもあるけれど、知られてしまったら緊張して今までのようにのびのびと放送ができなくなりそうだ。
「じゃあ、担当決めていくぞ」
どうやら学年ごとに担当の週を決めて、さらに曜日でクラス分けをするようだった。
私たち二年生は代表がじゃんけんで負けて、さっそく来週から担当になった。
あみだくじをした結果、私と森井くんは金曜日担当。
各クラス委員でどんなことをするのか話し合うようにと言われてしまった。
私と森井くんは向かい合って、数分。沈黙が流れる。
どうしよう。なにを流せばいいんだろう。
流行りの曲や、音楽の授業で習う曲、アンケートをとって放送委員が発表したり、お悩み相談室なんていうのも今までやってきたと先生が話していた。
そういえば、前に漫才が流れていた時もあった。あとは恋愛相談コーナーとかも聞いたことがある。だけど、私にそんなことが出来る気がしない。
「で、どうする」