初恋のうたを、キミにあげる。
「俺は歌い手としてナツは好きで、女の子として小宮さんが好きだから」
俯きかけた顔を上げると、森井くんの双眸が私を捉える。
緊張がすっと抜けて、違うドキドキとした気持ちに満ちていく。
「わ、私がナツでも幻滅しない?」
「しないし、むしろすげーって思った」
森井くんの言葉に笑ってしまう。
そんな反応されるなんて想像もしなかった。
「ずっと言いにくくて、幻滅されたらどうしようって思ってて……」
「するわけないだろ。打ち明けてくれて、ありがとう」
やっぱりこの人が好き。
これからも傍にいたい。
「小宮さん」
森井くんが私の名前を呼ぶ。
視線が交わったまま、ゆっくりと告げられた。
「俺と付き合って」