初恋のうたを、キミにあげる。



『笑わない? 変って言わない?』

「そんなん言われてからじゃねーとわかんねぇよ」


不機嫌そうに顔を歪めて話す森井くんに恐縮してしまう。

彼が嘘を言わないでいてくれるのは嬉しいけれど、やっぱりはっきりと言われるのは怖い。



「絶対なんてことあるわけないだろ。でも、小宮さんのこと馬鹿にはしない」

私が怯えていることに気づいたのか森井くんは少しだけ口調が柔らかくなった。


「あと約束できんのは……そうだな、誰にも言わない」


この人なら、私の言葉を聞いてくれるかもしれない。

彼が言うように絶対なんてないけれど、それでもそんな気がした。



「だから、話して」


音箱のように姿が見えない環境じゃない。

目の前に人がいる。声を出して話すのは怖い。



だけど、聞いてくれる人がいる。私が話すまで森井くんはじっと待ってくれている。





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