初恋のうたを、キミにあげる。




「森井って森井慎? 星夏同じクラスなんだっけ。それにしても意外な組み合わせだなぁ」

「星夏と同じで押し付けられたんじゃないの」

眉根を寄せてため息をはく舞花ちゃんにリュウくんが苦笑する。


「つーか、なんで舞花が森井のこと嫌がってんの」

「だって、一年のころから問題起こしてるグループにいるじゃない」


舞花ちゃんの話によると、一年の頃から先生や先輩たちと揉めて呼び出されていることも多々あったらしい。私も揉めているのは見かけたことはあって、その当時は絶対に話すことなんてないと思ってた。


「それに森井たちのグループって先輩に目をつけられているみたいだし」


森井くんたちのグループって、よく一緒にいる髪の毛が派手な人たちのことかな。


それでも森井くんは悪い人じゃないと思う。

私の話を嫌がらずに聞いてくれたし、怖そうに見えるだけで話してみたら怖くなかった。



「ぁ、の」

言わなきゃ。伝えなくちゃ。


誤解だよ。森井くんは優しかったよ。


だから、そんな風に言わないで。

言いたいのに、声が喉に詰まる。




「放送委員なんて昼に一緒に作業することもあるし、すっごく心配」

「舞花ちゃん、あの」

「星夏、できるだけ森井と関わらないようにね」





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