初恋のうたを、キミにあげる。
気に障るようなことを言ってしまったのかもしれない。
どうしよう。お礼を言ったつもりだったけれど、森井くん的には嫌だったのかな。
「ぁ、あの、その、私なにか気に障ること」
「いや、違う。俺、優しいとか滅多に言われないからびっくりした」
「へ?」
予想外の返答にきょとんとして、まばたきを繰り返す。
「そ、そうなの?」
「俺、優しいやつじゃねーよ。口悪いし、言いたいこと言って傷つけることも多いし」
頬杖をついて視線を逸らす森井くんの横顔は照れたように見えて、少し笑ってしまいそうになる。
「それでも私にとっては……優しいんだ」
きっと森井くんにとって私の話を聞いたことはそこまで大きなことじゃないのかもしれない。
それでも、私にとってはすごく嬉しいことなんだ。
「……変なやつ」
「へ、変!?」