初恋のうたを、キミにあげる。



「お、森井。おはよ」

「おう」

リュウくんは気さくに森井くんに声をかけると、ぶっきらぼうに森井くんが返した。

いつもとどこか違う気がする。なんというか……不機嫌そう。朝だからかな。



「おはよう、小宮さん」

森井くんと目があうと、どきりとした。なんだろう。また、変な感じだ。


「ぁ、おはよう。森井くん」

満足そうに口元を緩める森井くんの表情に胸がぎゅっとなるのがわかった。

けれど、森井くんの表情はすぐにまた不機嫌そうにリュウくんを見る。



「意外だな。仲いいんだ」

きっといつもリュウくんと舞花ちゃんの影に隠れているから、私たちが一緒にいることなんて話題に上がらないだろうし、森井くんも知らないんだろうな。





< 51 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop