初恋のうたを、キミにあげる。
「私も……考えてみたの」
「なにを?」
「つ、次の曲!」
人にすすめたい曲が多いアーティストを何組がピックアップして一覧にした。
それを一通り読んだ森井くんが片方の口角をつりあげる。
「へぇ、いいな。特に最初の二組いいと思う」
「じゃ、じゃあ! このアーティストにしよう」
「うん」
ほっと胸をなでおろす。
嬉しい。私が提案したことをいいと言ってくれた。
否定されるんじゃないかって人と接することはいつも怖かった。だけど、必ずしも否定されるわけじゃない。
森井くんと一緒にいると私の世界が変わっていく。
きっとそんなことを話したら、眉間にしわを寄せて「なに言ってんの」なんて言われてしまいそう。