初恋のうたを、キミにあげる。
チャイムの音に我に返る。昼休みだ。
一気に教室が騒がしくなり、たくさんの音で溢れ出す。
私は誰とも会話をすることなく、カバンの中からお弁当を取り出した。
普段は舞花ちゃんがいるけど、今日は休みだから教室で食べよう。
ああ、でも……みんなが友達と楽しそうにしている中、一人ぼっちで食べているのは居心地が悪い。
たったこれだけで気持ちが萎れていく。
「一人で食べてんの?」
「えっ」
空いていた目の前の席にパンを持った森井くんが腰をかけた。突然のことに頭がついていかず、ただ呆然と目の前の彼を見つめる。
目があっても、森井くんは表情を変えず、パンを包んでいるビニールを外していく。
「小宮さんって、こないだの放送日も弁当だったよな」