初恋のうたを、キミにあげる。


『なんだそれか。購買行ったときの小宮さん、すっげー目キラキラさせてておもしろかった』

予想外の返答に思わず「えっ!」と声を漏らしてしまう。

そんな風に見られていたの? 確かに浮かれてはいたけど、恥ずかしい。



『本当小宮さんっておもしろいよな』

私のことがおもしろいなんて不思議だ。言われたことがない。


『そんなこと言うの森井くんくらいだよ』

『俺しか気づかないでいいんで、それでいいです』


携帯電話におでこをぶつける。

頬が熱い。心臓がいつもよりも速く鼓動している。

直接話をしているわけではないのに、こんな気持ちになるなんて。



『はい』

『はいってなんだよ。まあ、いいけど。また今度購買行こう』


深い意味はないとわかっているのに森井くんの言葉に一喜一憂してしまう。

その日はメッセージのやりとりが終わっても心がふわふわとしてしまって、なかなか寝付けなかった。






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