初恋のうたを、キミにあげる。
「一日に二度も染めるとさすがに少し痛むかもしれねぇけど」
「……そうだよね」
「けど、この色の小宮さんも新鮮でよかったな」
新鮮、か。お母さんや舞花ちゃんたちに似合わないと言われたことが自分で痛感する。
やったことないからわからないって思っていたけれど、結局やってみて似合わなかった。
「変、だったよね」
「なんで? 別に変じゃなかったけど。普段の小宮さんからは想像つかない色だっただけで」
「ほ、本当?」
振り向いて森井くんを見上げる。
いつもよりも視線が高くて、距離も近い。
私の腕が森井くんの足に触れて、心臓が大きく跳ねた。
「本当。……髪、染めるから前向いて」
「う、うん」
なんだか恥ずかしくなって急いで前を向く。
男の子の家でふたりきり。
触れてしまうくらいの近い距離に、森井くんの服。