初恋のうたを、キミにあげる。
「なんだよそれ」
声が耳元に降ってきた直後、後ろから肩になにかを乗せられた。
おそるおそる振り向くと、チョコレート色の髪が見える。
爽やかな香りがふわりと漂う。
「も、森井くん?」
「本当さ、なんなんだよ」
髪色を真似しようとしてしまったから怒らせちゃったのかな。やっぱり事前に確認しておくべきだった。
どうしたら許してもらえるのか考えても思い浮かばない。
「ごめんなさいっ」
「いや……そうじゃなくて、悪い」
私の肩に森井くんの頭が乗っている。
後ろから抱きしめられているような状況に心臓が暴れだす。
一体なにが起こっているんだろう。森井くんの言動の真意がわからない。
それに私の心臓破裂しちゃう。
「っ、ぁの」
「小宮さんってさ」
「は、はい!」
こんなに近くに森井くんがいて、肩口から熱が流れ込んでくるみたい。
「いちいち俺の心臓掴む」