黄色い履歴書
『百合下さん、おはようございます。タケルくん、おあずがりします。』



ここが幼稚園かぁ。


初めて目にする大きな施設に驚いていると


ゴツッ!!
『サッサと行けっ!あたしは忙しいんだ』



叩く事ないのにと
むつけながら先生に付いて行くタケル


しかしタケルは気付いていた



タケルが皆の輪の中に入るまで

タケルの姿が見えなくなるまで


門から一歩も動かずに

その小さな背中を心配そうに見つめていた事


ずっと守ってくれてる事


でも

でもね。


それは言い訳にしかすぎないよ


僕を必要としてるのは

        シキだろ?








振り向きたいと思った


でも振り向いたら


照れ屋なシキは

すぐに帰ってしまうだろう


タケルは鞄についている鈴をわざと鳴らし
ひたすら前だけを向いて歩いた
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