黄色い履歴書
タケルは女の子に

スコップを叩きつけた



何度も何度も殴ったと

先生は言った




タケルの心はきっと

苦しさでいっぱいで

息が吸えなくなっていた



もっともっと苦しくなった心は

とうとう爆発したんだ



あたしと一緒

あえて違う所を言うなら



傷つけたのが

  『自分か他人か』

        という事だけ





シキはスコップを踏みつけ

タケルの手をひいて

タクシーへ乗り込んだ




シキがにぎったタケルの手は弱々しく

握り返すどころか

力が入る事は一度もなかった








『斉木田病院まで…』




タクシーの中は寒くて寒くて

二人の手は冷たく

白黒写真を見ているかのように

色も時もなくなっていた
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