黄色い履歴書
『汚ねぇ顔』


シキは濡れた髪をかきあげながら
そのままタケルの太ももに倒れ込んで笑った




まだガキなんだからさぁ
世の中知らなくていいでしょ

計算すんなよ
ばかなんだからさぁ

自分から迷路に入ってどうすんの?
道は選ぶもんだろ

おまえが想うがままに




     『生きろ』








シキ?

あの時の俺は
     まだ小さくて
自分の場所がわかんなくて
自分の足跡見て安心してた

でも前は見れなくて
自分の明日が見えなかった
自分が嫌いで
恐くて。



だからかな
シキの言った事が全然理解できなかった



でも今は
その言葉を復唱しないと
生きていけない



このセリフを生み出したシキは
神様だね





今は仏様かな?
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