黄色い履歴書
~斉木田病院~

『お客さん、着きましたけど』


いつの間にか眠りについていた私は
記憶がポンっと抜けたかのように夢も見ず
不機嫌な運転手の声だけが脳に響いた



ゆっくり目を開けると
外を見つめるタケルの顔があった
運転手は早くしろと言わんばかりに
何度も何度も咳払いをした

どいつもこいつも短気な奴ばっかだよ

金を払うとタケルは気まずそうに小走りをして
暗い病院内へ入っていった

『あんたが殴ったやつ、何て名前?』

『……。』

『すみません、今日殴られて運ばれてきた女の子の面会なんですけど、…』

『はい、みさきちゃんですか?よかったぁ、ご家族の方ですか?』



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