黄色い履歴書
その歌は
どんなに大きな太陽でも
    感じることが出来ない

“人のぬくもり”
      を描いた歌だった


砥祈は静かに席を外した

売店に行こうと歩いている間
あの子が夢みた歌を
       イメージとして
ぼんやり頭に描いてみたが
  すぐに消し去ってしまった


席を外した事


本当は気をつかったのでも何でもない

どうしようにもその場にいてもいられなくなってしまったから




砥祈には少し重すぎた


今まで愛されなかった幸せ

これが当たり前だった砥祈には
本当の愛がこんなにも自分を苦しめるなんて思ってもみなかった

  「みんなが一緒に」

  「みんなが隣で」

   『笑ってる』


砥祈は自分が今までしてきた事
自分の全てを憎むと同時に
タケルが羨ましくて仕方がなかった

『あんたの雲を晴らす奴が目の前にいるんだから』


タケルは自分の進む道を
みんなが正しいというその道を
ゆっくりと歩き出す


さて。

私はどこにいくのかな。。。

誰か教えて?
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