車椅子バスケ~希望の架け橋~(翼ver.に変更)

「……あっ?何だと」

殴るのをやめるが
ギロッと睨み付ける姫宮。

しかし伊藤選手は

「姫宮。いい加減にしろ。
俺は、姫宮のセンスを見て今まで
あまり口を出さなかったが、さすがに
目に余る行為だぞ。
俺達は、仲間だ。勝手な行動は許さん」

構わずに叱りつけた。

その言葉に反応する姫宮。

「仲間……?何だよ……それ?
障がい者同士が傷の舐め合いをしているだけだろ。
俺は……そんなの認めない」

「俺は、仲間なんていない。
一緒にするな!」

苦しそうに言う姫宮。
目には、涙が溢れていた。

私は、その表情を見たとき……入院当初の
自分のことを思い出した。

急に歩けなくなり、お先が真っ暗になった。

大好きなバスケを奪われ
周りからの同情や自分が、これからどうしたら
いいのか分からなくて

苦しんで……自暴自棄になっていた頃の自分に
そっくりだった。

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