車椅子バスケ~希望の架け橋~(翼ver.に変更)
「俺はね……あの時は、あぁ言ったけど
ちゃんと分かっているんだよ。
千花ちゃんみたいに理解がある女性が必ず
何処かに居るって。
工藤キャプテンの麻友さんみたいにさ。
海利も本当は、それを望んでいるのかも知れない。
でもね……海利は、他の人より障害が重い。
そのため諦めることを先に覚えてしまった」
「だから絆の強い君達を見て学ばせようと
思ってね。それだけではない。
たくさん経験させて……もしそんな女性が
現れた時に諦めずに立ち向かってほしい。
そのためにもたくさんの知識や経験を増やさせたい」
そう話す早川兄ちゃんは、
とても愛情深いお兄さんの姿だった。
「大丈夫ですよ。早川さんの気持ちは、
美堂君に必ず伝わっていると思います。
美堂君だって……素敵な人なのですから必ず
そんな女性が現れますよ。もちろん
早川さんにも」
千花は、満面の笑みでそう言った。
もしかしたら近い内に現れるかも
知れないし。
「フフッ……ありがとう。
千花ちゃんは、やっぱり優しいな」
クスクスと笑いながら笑顔を見せてくれた。
そして車は、そのまま夜の街を走らせて
帰って行くのだった。
END。