車椅子バスケ~希望の架け橋~(翼ver.に変更)
「……。」
悩みに悩んだ。
でもあの姿は、見覚えがあった。
まるでバスケが大好きで夢を追いかけてきた
自分を見ているようだった。
おっさんは、自分を通して
俺に夢を見せようとしてくれた。
自分に負けるなと……。
「あのさ……母さん」
次の2日目後の準決勝と決勝。
俺は、母さんの車に乗っていた。
向かう先は、パラリンピック会場。
昨日のおっさん達を見ていたら
居ても立っても居られなかった。
興奮もあるが、千花のメッセージにも
背中を押された。
まるで前を向いて行けと
言われているようだった。
車の中でタブレットを使い
観ているとまた心が揺らぐことが起きた。
圧倒的な力を見せてきた。
ロバート選手が……。
準決勝で永井選手に圧倒的な差で勝ち
決勝まで進んでいた。