ロープレ
☆オープニング
「ふーん。それで?」
少年は、雪菜(ユキナ)に問いかけた。
「それでっていわれても、プロローグはこれだけ」
そっけなく答える。
はぁ、とため息をついてから、少年はしゃべる。
「なんか、姫が誘拐されるって、よくあr……」
「それは禁句だ!」
雪菜は少年が言い終わる前に叫んだ。
「なんでさ?別によくね、それくらい」
「ダメだ。我が友タロウが頑張って考えたプロローグなんだ。アイツが悲しむだろ」
「あっそう。でさぁ、タロウって、誰?」
「肝心なところを聞いてなかったのか、お前。浅はかだな」
「まだ、プロローグの内容しか聞いてねぇぇええ!」少年は、五月蝿いツッコミを入れる。
「ああ、すまない」
反省してなさそうに謝り、続ける。
「今、タロウという我が友が自作ゲームを作ったのだ」
「それはもう聞いた」
「それぐらいわかってる。で、タロウはこのゲームを売りたいらしい。その前に、誰かにプレイして感想を聞きたいんだと言っていた」
「で、なんで俺なんだ?」一番疑問に思っていたことをはっきり聞いた。