0.0000034%の奇跡



【ひまわりの約束】


本家には敵わないけどって謙遜していた歌だけど優しい歌声は彼女に合ってる。
また違った魅力を聴く側はちゃんと理解出来てると思うな。


だってほら。


涙を堪え一生懸命歌う彼女にもらい泣きする人々。
また一つの感動が動画サイトにアップされ瞬く間に拡散されてく。


結局、学会最終日は出席せず一緒に帰って来た。


「え?神崎さん?あれ?智くんに話したことあったっけ?」


帰りの新幹線で思い切って聞いてみた。


「昨日カナちゃんが店に来てくれて聞いたよ、かなりしつこいって?学会で会わなかった?」


「カナちゃんがそう言ってたの?えっと、会ったよ」


「大丈夫だった?何もされてないよね?」


「何もって…特にされたりはしてないけど、色んな人に声かけてるからねぇ」


ほら、やっぱり!
そんな奴だと思ってた!
ギュッと彼女の手を握る。
「芹に何かしたら僕黙ってないから、そいつぶん殴るからね?」と言ったら何か考えてる素振り。






< 100 / 175 >

この作品をシェア

pagetop