0.0000034%の奇跡



「この神崎さんにね、自分が経営してる歯科医に来ないか?ってしつこく誘われてたの」


言葉を失う。
かかかか、勘違い………
勘違い?
ウソだろ……そんな……
じゃあ僕はそのおばさんに狂うほど嫉妬して、居ても立ってもいられなくなって……


俯く僕の髪に触れる指。
真顔で真っすぐ見つめられて……


「もしかして嫉妬してた?」


恥ずかしいけどそこは素直に認める。
だって芹モテるから。
ほっとく男なんか居ないって。


「だからお利口に待てなかったの?」


「うっ……だって男と思うじゃんか」


恥ずかし過ぎる。
確かにカナちゃんは男だとは言ってなかったかもしれない。
でもそう思うのが普通で、僕はずっと…!


不意打ちで、少し拗ねた僕の腕を引っ張りキスされる。
周りを見渡し、誰にも見られてないか焦る僕とは正反対で堂々としてる彼女。
耳元で「じゃあ帰ったら続きしようね」って小悪魔に微笑む。



もう僕は君には敵いません。
あの瞳で見つめられたら動けないし、
たった一瞬のキスで心奪われてる。
薬指に光る指輪に永遠の愛を誓うよ。


もう絶対、離さないから。






< 102 / 175 >

この作品をシェア

pagetop