0.0000034%の奇跡



「それなのにまたセミナーの講師依頼してくるんだよ?あの先生、鬼だよ」と嘆く姿を微笑ましく見つめる僕。
大丈夫、また資料作り手伝うよ。
とびきり可愛くセットもしてあげる。
でもその前に………


「芹、今度の休み実家に来てくれない?親に紹介したいんだけど」


そう言うとプンスカ怒ってた顔がポッと紅くなり急に汐らしくなる。
ちゃんと段階を踏まないとね。
「うん」って満面の笑み浮かべてたまんないよ。
芹が僕の奥さんだなんて…



「なんか夢みたい」


自分の心の声が漏れたのかと思った。
また2人の想いがシンクロしてる。
優しく彼女の頬をつねって「夢じゃないよ」と言ってあげる。
夢のような人生を2人で実現していくんだ。


「智くんが、旦那さん…エヘヘ」


恥ずかしそうにそう言って腕に頭を寄せてきた。
肩を抱いてそっとキスを落とす。
唇が離れたらまたあの目をしてる君に僕は何度でも溺れゆく。
何度でも恋に落ちちゃうんだよ。






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