0.0000034%の奇跡



「落ち着いて、芹…」


欲を制止された彼女は苛立ちを見せながらも、僕の一番欲しい言葉をストレートに言ってくれる。


「止めないでよ…今すぐ智くんが欲しいの…!」


数ある欲の中で真っ先に僕を求めてくれる。
疲れてれば疲れてるほど本気が増すようで。
それはそれで単純に嬉しいんだけどね。


知ってる?
その顔でそんな事言われたら、すぐに僕のスイッチも入っちゃうよ?
ていうか、知ってて言ってるでしょ?
逆に押し倒したらニヤリと笑う。
甘い罠にハマってく僕を存分に弄ぶ仕草。


わざとハマりに行って機嫌を直してあげるつもりが、いつも彼女の欲情に溺れてしまう。
こんな時の彼女に未だ勝てずに居る僕。
悔しいけどその後ぐっすり眠る寝顔が可愛くて満足…かな?


さっきとはまるで違うこのギャップ……
またやられました。
でもこんな僕でストレス発散してくれてるなら喜ばしい事。
いつでもお役に立ちます!なんてね。





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