0.0000034%の奇跡



僕が何食わぬ顔で彼女をスタイリングしているシーン。
予約の取れないトップスタイリストと紹介されているが、今となっては恥ずかしいばかりだ。


スタジオの彼女はすみませんと困り顔。
そして、出演者も核をついた質問をしてくる。


「じゃあこの時はもうお付き合いされてたんですか?」


「はい、すみません」


「うわー!騙されたぁー!」と項垂れる出演者たち。
すかさずMCが「理由があるんですよね」とフォローされ、彼女が口を開く。


「言ってしまうとそういう目で見られちゃうのかなって…ただ純粋に彼の凄さを知って欲しくて伏せてしまいました、結果、このような形になり申し訳ありません」


「いいんですよ、僕らと違って一般の方なんですから、こちらこそすみませんね?勝手に盛り上がって」とMCがまとめあげ、返し方が神だと思った。






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