0.0000034%の奇跡
「え?早退?」
「うん…午後診はお休みさせてもらった」
熱っぽいみたいで冷えピタを貼りながらソファーに横たわる。
連絡くれれば僕も早めに切り上げて帰ったのに。
「あぁ…申し訳ないなぁ……患者さん…急患なければいいけど」
こんな時でもちゃんと患者さんを思ってる。
仕事に対しての姿勢は本当学ぶ点がありすぎて、若干ストイックなところもあるけど誇りを持って取り組んでいてそれは男から見ても格好いい。
「病院行ったの?」
「うん……大したことないって」
「ちょっと疲れがたまっちゃったのかもね?薬は?」
「うーん……その辺に」
白い袋に入った薬を手に取る。
「もう飲んだよ」って声が聞こえてきたけど、ちょっと待って?
「え?これって……」
袋に思いきりデカデカと病院名が書かれてる。
これをスルーしてしまうほど僕は鈍感でもない。
ゆっくり体を起こして冷えピタさんな君は精一杯微笑んで言ってくれました。
「えっと、7週目だって…心音も確認出来たよ」