0.0000034%の奇跡



仕事もセーブしてもらってるって言ってたのは、この為だったんだね。
幸い、つわりもひどくはないみたいだ。


「でも無理しないでね?」とつい念押ししてしまう。
心配なんだよ、君は頑張りやさんだから。


「何か院長が一番喜んでくれそう」


「え?そうなの?」


「孫が出来たら早く言いなさいよ?盛大に祝ってやるからって」


ハハハ、孫って……
そういや披露宴の時酔っ払いながら「娘を頼んだぞ」って言われたな。
それほどの関係性になれるなんて、周りに信頼されてる証拠だよね。
彼女はどこまでも愛されキャラだ。


ギュッと手を握る。


「これからは2人で病院行こう?通院、僕の休みの日に出来る?」


どう声掛けすれば正解かなんてわからないけど、やっぱり不安だってあると思うんだ。
僕が何か出来る事があればしてあげたいし、男はなかなか自覚持つのに時間がかかるって聞いた事があるし。


「ありがとうって僕の言葉だから」







< 130 / 175 >

この作品をシェア

pagetop