0.0000034%の奇跡
「なっ、なにこれっ!」
雑誌を見た彼女は怒りで肩が震えてるかのように見えた。
背後からでもヒシヒシと伝わり慌てて謝る。
「ごめん、こんな企画だとは知らなくて…」
黙ったまましばし記事を読んで小さくため息をついた。
「やっぱり智くんが一番カッコいい」
「あ…ありがとう」
「この雑誌の編集部、見る目あるね」
「へ…!?」
「こうやって智くんが有名になってお店が繁盛して、皆が幸せになれたらいいね」
あれ?怒ってないのね?
と胸を撫で下ろす。
「私も負けないように頑張らなきゃ」
「いや、当分は僕に頑張らせてください」
僕自身、もっと上を目指さないと。
彼女をちゃんと支えてあげれるように。
今日の女子高生の話をしたらまた真っ赤になって恥ずかしがってる。
その子が歯医者に来たらびっくりするだろうねって笑い合った。