0.0000034%の奇跡
そんな顔されたらもっとイジワルしたくなる……なんてね。
「ウソウソ、ごめんな、困らせちゃって」
頭を撫でて行こうとしたら服の裾を引っ張る君。
上目遣いが最高に可愛い。
「ちょっとだけ、お利口さんにしててね?」
ヤバい……
Y-mobileのCMくらいズキューンとした。
可愛いすぎだろ。
どんだけ僕を落とすんだよ。
ずっとパソコンとにらめっこしながらカチャカチャ打ち込んでる。
途中ヘッドホンを着けたり、資料に目を通したりと真剣だ。
少しの休息タイムに僕はマッサージをしてあげる。
「歯の健康について」と題してあり、改めて歯科医なんだなって思った。
資料に何ヶ所か印が付いてて、それをまとめてるみたいだ。
「この丸で囲ってるとこ打ち込んだらいいの?」
「え?あ、うん」
「これって……」
資料をマジマジと見つめてると
「論文、私の」とサラッと言ってのけちゃう。
過去の症例や研究したことを学会に報告したりしてるんだって。