0.0000034%の奇跡
「完全にバカにしてるよね?」
「してない!してない!」
「してるだろ!」
「してないって、嬉しかったよ」
あれはどうしても君を繋ぎ止めておきたくてとっさの行動というか。
自分を見失ったというか。
ただ強く、君を失いたくない一心だった。
かっこ悪すぎたけど。
「さっきの智くんが一番好きかも」
「え?それはタイプがおかしいぞ?」
「エヘヘ、智くんはあんな風にジタバタしててほしい……ずっと私を好きでいてね」
とっくにジタバタしてるよ。
出逢った時点で。
こんなに心奪われて鷲掴みされて動けなくなってんだよ。
「芹こそ、僕以外にそんな顔するなよ?もし他の誰かにしてたら承知しないからな」