0.0000034%の奇跡
休憩時間に携帯を見ると彼女からLINEがきていた。
「携帯思いきり落としちゃって調子が悪いよ〜バッテリーがなかなか回復しなくて…スケジュールもたて混んでるから今日明日と連絡出来ないかも…明日は19時27分着の新幹線です」
ガーン…………
このタイミングでこの仕打ち………
え?今不安でいっぱいなんですけど?
声、聞けないの?
「早く智くんに会いたいな」って声が蘇る。
それと同時にカナちゃんの言葉も。
例え彼女が拒否しても、男に力では勝てないだろうし。
もし神崎って野郎がゲーム感覚で落とすことを楽しんでたとしたら……
「槙田ディレクター、顔怖いっすよ?」
スタイリストの声でハッと我に返る。
慌てて頬の筋肉を解してたら
「もしかして彼女ロスっすか?2日目っすよ?ラブラブじゃないっすか〜」とイジられ何も言い返せない。
何でコイツ知ってんだよ……店長だな?
どいつもこいつも……
「あ、明日頼むね」
「了解っす〜!」
彼女を迎えに行く日は前から休みをもらっていた。
あんな話を聞いて動揺してる僕はちっぽけなんだろうけど、好きだからこそ心配もするし独占欲に駆り立てられる。
信じてないわけじゃない。
でも、安心して構えてたら消えてしまいそうで怖いんだ。
君が言ってたように、僕はずっと君の周りでジタバタしてるのかもしれないな。
どうか、我慢出来ない僕を許して。
こんな僕を君は笑ってくれるかな。
どんなにクールぶっても君のことになれば焦ってる。
誤魔化し効かないんだよ。
だから
会いに行きます