ぎゅっと、隣で……
毎週日曜になると、祭りの花火の準備が行われる。
南朋も毎回参加していた。
南朋の人気は高く、男達がなんとか一緒に作業をしようとチャンスを待っているのが見え見えだ。
秀二も人一倍、南朋の隣での作業を狙っているようで、他の男を追いやってでも南朋の横に居た。
優一はモヤモヤした気持ちのまま、黙々と自分の作業を続けた。
何故、南朋に話しかけられないのか、自分でもイラつくが、チャンスを失った優一にはどうする事も出来なかった。
その日、花火の準備も終わり、家に戻ると玄関に見覚えのない女性用の靴が並んでいた。
居間に入ると、母親と向かい合い小百合が座っていた。
「何しに来た?」
思わず口から出てしまった。
「新種のりんご頂いたから届けに来たのよ」
小百合は笑っているが笑顔では無い。
この図々しい姿が、又、優一に嫌気を感じさせた。
小百合は、優一の気持に気付いているのか分からないが、母親の機嫌を取り、にこやかに会話をしている。
時々、チラリと優一に向ける目は、何か不服そうだが、優一は気付かぬふりをした。
こんな事に何の意味があるのか?
そして、俺は、一体何をどうしたいのかも分からなかった……
いや、分かろうとしなかったのだ……
南朋も毎回参加していた。
南朋の人気は高く、男達がなんとか一緒に作業をしようとチャンスを待っているのが見え見えだ。
秀二も人一倍、南朋の隣での作業を狙っているようで、他の男を追いやってでも南朋の横に居た。
優一はモヤモヤした気持ちのまま、黙々と自分の作業を続けた。
何故、南朋に話しかけられないのか、自分でもイラつくが、チャンスを失った優一にはどうする事も出来なかった。
その日、花火の準備も終わり、家に戻ると玄関に見覚えのない女性用の靴が並んでいた。
居間に入ると、母親と向かい合い小百合が座っていた。
「何しに来た?」
思わず口から出てしまった。
「新種のりんご頂いたから届けに来たのよ」
小百合は笑っているが笑顔では無い。
この図々しい姿が、又、優一に嫌気を感じさせた。
小百合は、優一の気持に気付いているのか分からないが、母親の機嫌を取り、にこやかに会話をしている。
時々、チラリと優一に向ける目は、何か不服そうだが、優一は気付かぬふりをした。
こんな事に何の意味があるのか?
そして、俺は、一体何をどうしたいのかも分からなかった……
いや、分かろうとしなかったのだ……