ぎゅっと、隣で……
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土曜日の朝、気持ちよく広がる青空の下、南朋は軽い足取りで玄関を出た。
「南朋、お出掛けかい?」
庭に居たお婆ちゃんが声を掛けてきた。
「うん。友達と買い物」
「そうかい、気を付けてなぁ」
婆ちゃんの皺くちゃな顔が、益々皺くちゃになった。
「はーい。行って来ます」
南朋は自分の車には乗らず、駅前の本屋へ向かう。
途中でクラクションの音に振り向いた。
運転席の優一が笑顔を向け、南朋の横に車を停めた。
南朋は助手席のドアを開け、するっと車に乗り込んだ。
しばらく車を走らせると、小学校の門をランドセルを背負った子供達が入って行く姿が見えた。
土曜参観でもあるのだろう……
信号が赤になり、横断歩道を渡る子供達を優一がじっと見つめていた。
「南朋…… 俺さ、学校の先生になろうと思うんだ……」
「えっ…… 会社辞めないとだから?」
南朋の表情が少し曇る。
「いや、そうじゃない。変な気回すな…… 元々から教員になるつもりで教育学部に入たんだけけど、今まで自信が無くて逃げていたんだ……」
「えっ。そうだったの……」
「南朋も一緒にやらないか?」
優一が、助手席の南朋の方を見た。
「何言ってるのよ。私、教員免許持ってないよ」
「うん。家で学校やろうと思うんだ…… 学校に行きたいけど行けない子供達が通える場所を作れたらなって思っているんだ。南朋だから出来る事があると思うんだ」
土曜日の朝、気持ちよく広がる青空の下、南朋は軽い足取りで玄関を出た。
「南朋、お出掛けかい?」
庭に居たお婆ちゃんが声を掛けてきた。
「うん。友達と買い物」
「そうかい、気を付けてなぁ」
婆ちゃんの皺くちゃな顔が、益々皺くちゃになった。
「はーい。行って来ます」
南朋は自分の車には乗らず、駅前の本屋へ向かう。
途中でクラクションの音に振り向いた。
運転席の優一が笑顔を向け、南朋の横に車を停めた。
南朋は助手席のドアを開け、するっと車に乗り込んだ。
しばらく車を走らせると、小学校の門をランドセルを背負った子供達が入って行く姿が見えた。
土曜参観でもあるのだろう……
信号が赤になり、横断歩道を渡る子供達を優一がじっと見つめていた。
「南朋…… 俺さ、学校の先生になろうと思うんだ……」
「えっ…… 会社辞めないとだから?」
南朋の表情が少し曇る。
「いや、そうじゃない。変な気回すな…… 元々から教員になるつもりで教育学部に入たんだけけど、今まで自信が無くて逃げていたんだ……」
「えっ。そうだったの……」
「南朋も一緒にやらないか?」
優一が、助手席の南朋の方を見た。
「何言ってるのよ。私、教員免許持ってないよ」
「うん。家で学校やろうと思うんだ…… 学校に行きたいけど行けない子供達が通える場所を作れたらなって思っているんだ。南朋だから出来る事があると思うんだ」