ぎゅっと、隣で……　
「あのね……」

南朋が皆の前で思い切ったように口を開いた。



「どうしたの？」

優一が少し心配そうに南朋に近づいた。


　南朋は大きく深呼吸をすると、

「お婆ちゃん達……　来年は曾婆ちゃんになるよ！」


「…………」


　家の中にしばらく沈黙が走った。



「やったなぁ」

　沈黙を破ったのは婆ちゃん達だった。

　二人は飛び上がり、手をとりあって大声を出した。



「婆ちゃん！　ぶっ倒れるぞ！」


　翔が慌てて二人を落ち着かせようと手を取って座らせる。



　優一はそっと南朋の手を握った。

　これから、もう一つ守るべき者が増えた責任感が溢れ出た力強く、そして優しい目で南朋を見た。



　何も言わず黙っていた南朋の母が、ハンカチで目を押さえキッチンへと身を隠したが、誰もが気が付かない振りをした。
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