ぎゅっと、隣で…… 
 時代と共に新な問題が起きる。

 子供達を守って行くとうい重さを優一も南朋も改めて感じていた。


 大人による問題ばかりでは無く、大人たちのしらない所で悪魔の手は伸びている。

 教師として、親として何に気付いてやるべきなのだろうか? 

 気付く事が出来るのだろうか? 

 優一や南朋が遭遇しなかった問題もこれからは増え続けるだろう…… 



 教師は生徒達に、社会で生きる力を身に着けて欲しという思いだったはずが、いつの間にか自分への評価を気にしてしまい…… 


 親は子供の幸せを願い、元気に学校へ通って欲しいという思いだったはずが、いつの間にか、他の子と比べ不安になってしまう……


 子供に関わる大人たちの評価や不安が、子供達に不安とストレスを与え、安心出来る場所を奪ってしまっているのではないだろうか?



 南朋は、これから生まれて来る命に大きな希望とともに不安を感じた。


 自分の両手をそっとお腹に当てる。


 隣りに優一の気配を感じると同時に、優一の両手が南朋を抱えるようにぎゅっと重なった。


「どうしたの? 大丈夫だ……」

 隣に並んだ優一の優しく、そして力強い声に南朋は胸の中の苦しい不安が溶けていくようだった……



 きっとこれからもずっと優一は、「どうしの?」と顔を覗かせ、ぎゅっと抱きしめてくれるだろう……



 そして、ずっと隣りで笑ていてくれるだろう……



 ふと、顔を上げると優しいたくさんの笑顔が、『大丈夫』と言っていた……
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