ぎゅっと、隣で…… 
新学期がはじまり、子供達は学校へ行き出した。


 だが、南朋が日に日に元気がなくなって行くきがする。



 隣の、優一や和希が迎えに来てくれてはいるが、南朋は、泣きながら学校へ行く。

そんな姿は、ゆめにとって胸が締め付けられる思いなのだが、婆さんの立場じゃどうしてやる事もでない。


 そのうち南朋は、公園へ遊びに行かなくなってしまった。


「サキさん…… 南朋の学校の様子は、和希君から何かきかんかね?」


「それが、和希はクラスが違って何も分からんらしいんだわ」

サキは申し訳なさそうに言う。


「そうかね……」


「だけど、担任の先生かなり厳しいって言っておったわ」


「ああ…… おとなしい南朋には辛いかもしれんな……」

ゆめは、少し切なくなってきた。

南朋が悲しい目にあっておるんじゃないだろうか?



「だけど、優一も変なんだわ…… なんか苛々しとるみたいいで、翔君連れちゃあ、何かやっとるわ」



「南朋も、早く学校になれるといいんだが……」


 ゆめは、内職の手を休めず言った。
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