ぎゅっと、隣で…… 
「あれ、佐々木さんどうしたね……」


「もうすぐ、祭りの時期だで、優一君にも出てもらおうと思ってな」


「もう、そんな時期かね……」


 ゆめにも、その会話は聞こえてきていた。



 うう~ん。これじゃ!



 ゆめは急いで玄関に向かうと、挨拶もろくにせずに佐々木に声を上げた。


「うちの、南朋も出るで申込用紙下さいな!」

 佐々木は一瞬後ずさりしたが、ニコリとして用紙を差し出した。


「勿論。これから崎宮さんのお宅も伺うつもりだったで。それじゃあ、南朋ちゃんは獅子部かな?」


「いや! 煙火部じゃ!」

 ゆめとサキが同時に声を上げ、佐々木は目を丸くした。


 ゆめとサキは目を合わせニヤリ。



「優一! 」


 サキの声に、優一は玄関へ出てくると、佐々木の祭りの話に快く承諾していた。

 何時の間にか、サキが和希を呼び出し、祭りに出るよう急かしていた。



「和希が居た方が都合がいいでな」



 サキの言葉に、ゆめは申込用紙をみながら目を細めた。

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