愛が強すぎて転生しました【仮】
愛が強い︰1
『どうか今日も、私の大切な人たちが健康で危険に脅かされず、幸せに暮らせますように────。』

両手を合わせて恋人繋ぎのようにぎゅっと握りしめ、強く強く願う。

羽彩抄華こと私は、玄関の前で毎朝の恒例行事である神様への祈りとお願いをしていた。



神様────それは、私の命の糧となる食物を惜しげも無く分けてくださる、優しきお方。



『はあ…生きててよかった……』
そう思わせてくださる、本当に素晴らしい方だ。

そんな神様からの供給を断腸の思いで断ち切り、前を向く。外は青空と蒸し暑い空気で満たされていた。


『さて、学校に行くか。』
私は授業道具と共に、希望と夢で満ち満ちた心を胸に抱いて道路を駆けていった。
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