好きって言って、ぎゅっとして。
偽りの関係
今日は、高校の入学式。
私は、晴れて高校生となる。
「菜乃花?どしたん?」
この長身のチャラめのイケメンは、私の幼馴染で彼氏の由良川凛。
私と20センチくらい身長が違うので、見上げる形になる。首が痛い。
「なんでもないし。それより、ちゃんといつもみたいに宣伝しておいてよね。彼氏なこと」
「わかってるって。大丈夫だよ」
実は、凛と私は形上付き合っているというだけでそこに好きとかいう気持ちはない。
まだこの関係がなかった小学生の頃、私は私を好きだという上級生の男の子に襲われそうになった。たまたま通りがかった友達(空手を習っていたらしい)に助けられて、その時は助かったんだけど……。
そういうことが二度と起こらないように、と凛が"形だけ"付き合うことにしてくれたのだ。
「いつも、ごめんね」
私のせいで、凛は好きな子がいても付き合うこともできない。
「別に、気にすんなって」
と、凛は笑顔だ。
「ま、俺のためでもあるし」
「え?何?」
「いや?なんでもねー。それより、鮎波以外の友達作れよ」
「わかってるって!」
言い争い?をしながら、私たちは高校の正門をくぐり抜けた。
私は、晴れて高校生となる。
「菜乃花?どしたん?」
この長身のチャラめのイケメンは、私の幼馴染で彼氏の由良川凛。
私と20センチくらい身長が違うので、見上げる形になる。首が痛い。
「なんでもないし。それより、ちゃんといつもみたいに宣伝しておいてよね。彼氏なこと」
「わかってるって。大丈夫だよ」
実は、凛と私は形上付き合っているというだけでそこに好きとかいう気持ちはない。
まだこの関係がなかった小学生の頃、私は私を好きだという上級生の男の子に襲われそうになった。たまたま通りがかった友達(空手を習っていたらしい)に助けられて、その時は助かったんだけど……。
そういうことが二度と起こらないように、と凛が"形だけ"付き合うことにしてくれたのだ。
「いつも、ごめんね」
私のせいで、凛は好きな子がいても付き合うこともできない。
「別に、気にすんなって」
と、凛は笑顔だ。
「ま、俺のためでもあるし」
「え?何?」
「いや?なんでもねー。それより、鮎波以外の友達作れよ」
「わかってるって!」
言い争い?をしながら、私たちは高校の正門をくぐり抜けた。
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