キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
1⋆*問題児と鬼生徒会長
「あれが噂の西園寺さん?あの名門西園寺家の一人娘だっていう?」
「そうそう。なんでも、学園始まって以来の問題児って噂よ。前に彼女に脅されて泣いている子を見た人がいるって!」
「きゃー!こわーい!」
「うちの学校には不釣り合いよねー!」
────好きなように、言えばいい。
背中まで伸びた明るい髪をサラッと風になびかせて、最寄りのバス停から学校までの道程を足早に歩く。
その間にも、コソコソと耳打ちをしながら距離を取り、私を避けるように道の端に移動する同じ学校の生徒達。
毎朝毎朝、よく飽きもしないで人を珍獣扱いできるもんだ。
まぁ、こんなのもう慣れっこだけどね。
私が通う花ノ宮学園高等学校は、お嬢様やお坊っちゃんが通う、いわばセレブ校。
何でも、おばあちゃんのおばあちゃんが生まれた時代に創立された、数々の伝統がある由緒正しい学園らしい。
“らしい”って言うのは、あまりに興味がなさ過ぎて、よく知らないから。
ほぼ強制的に入学させれたこの高校に、そこまでの愛着は1ミリほども持ち合わせていないって話。
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