キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
5⋆*波乱の球技大会
「西園寺さんいっくよー!!」
「は、はいっ!」
球技大会もいよいよ明日に迫り、現役バレー部池崎さん率いるバレー班の練習も大詰めを迎えていた。
始めの頃は、パスを繋ぐことすらままならなかったメンバーも、今ではすっかり攻撃まで繋げられるほどの上達ぶり。
バスケ班の方も、かなりいい感じだって実行委員の赤井くんが言ってたから、これなら高級焼肉パーティーも夢じゃないかも!なんてみんな浮かれてた。
ただ一人を除いては────。
今日は朝から梅雨らしいしとしととした雨が降っていて、多くのクラスが体育館で最終日の練習を迎えていた。
うちのクラスも例外じゃなく、他のクラスとギュウギュウになりながら体育館の端っこの小さなスペースでレシーブ練習。
みんな池崎さんが打つボールをいい感じに返していく中、次は私の番だ。
池崎さんが私に向けて、ボールを放つ。
随分手加減してくれてるんだろう。そのボールは優しく弧を描きながら私の方へと飛んでくる。
よし!これを上手くレシーブして返せばいいんだよね!
両手を重ねて前に出し、受け止める準備は万端。
んが、しかし。
ボールは私の手をかすりもしないで、格好だけは一丁前に構えている私の横にあっさり落ちていった。
……あ、あれ?